車の盗難対策はどうすればいい?狙われやすい車の特徴は?
車の盗難対策はどうすればいい?狙われやすい車の特徴は?
自動車の盗難は、車を所有している方にとって大きな不安の一つです。
最近では計画的かつ巧妙な手口が増えており、車の盗難対策は必須と言っても過言ではありません。
警察庁から発表されている「自動車盗難の発生状況について」によると、全国的には、千葉県、愛知県、埼玉県、茨城県、神奈川県での盗難件数が全体の55.6%を占めており、該当地域にお住まいの方は特に気になるのではないでしょうか。
大切な愛車の盗難を防止するには、狙われやすい車の特徴や最新の手口などを知り、正しく対策することが大切です。
今回は、狙われやすい車の特徴や効果的な対策など、車の盗難防止に関する情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
出典:警察庁[自動車盗難等の発生状況等について]
<目次>
1. 自動車盗難の傾向は?
1-2.最新の手口にはどんなものがある?
2. 自動車だけでなく「部品盗難」も発生している
3. 狙われやすい車の特徴は?トヨタ車で狙われやすい車種
4. どんな対策をすればいい?効果的な対策とは
5. おすすめの盗難対策グッズ
6. まとめ
1. 自動車盗難の傾向は?
出典:警察庁[自動車盗難等の発生状況等について]自動車盗の駐車場所別認知件数の推移
自動車盗難の件数は、直近10年で見ると減少傾向にありますが、2023年を振り返ると2022年より件数は微増しているため注意が必要です。
自動車盗難の発生場所を見ると「一般住宅」での発生件数が全体の約4割と最も多く、ご自宅の車庫などで保管している場合でも安心できないことが分かります。
特に近年では組織的な犯行が多く、盗難した車両はヤード等で不正に解体され、他の車両と合体させて販売されたり、海外に輸出されたりするケースもあります。
1-2.最新の手口にはどんなものがある?
これまでの盗難といえば、鍵をピッキングしたり、窓を割って車両に侵入したりする手口が一般的でした。
しかし、最近ではスマートキーが搭載された車種が多いことから、スマートキーの仕組みを利用した盗難の出口が増えています。
特に多いのが下記の方法です。
リレーアタック
リレーアタックとは、スマートキーから発信される弱い電波を特殊な機器を使って自動車まで中継させ、キーが近くにない状態でもドアロックを解除させる方法です。
車に近づくだけで自動解錠できるスマートキーの仕組みをついた巧妙な手口といえます。
リレーアタック方式では、中継役と窃盗役の複数人のグループによって犯行がおこなわれます。
コードグラバー
コードグラバーは、本来はスマートキーから出る微弱な電波を読み取り、キーの情報を複製することでスペアキーを作成する機器です。
そのコードグラバーを用いて、ドアの施錠・解錠をするキーレス機能を使用した瞬間を狙うことで、ドアを解錠させます。
車両盗難よりも車上ねらいなどで悪用されるケースが多いといわれています。
CANインベーダー
新たな手口として広がっているのが、CANインベーダーを使用した手口です。
CANインベーダーとは、車の配線に専用端末を直接接続し、車内に張り巡らされたネットワーク(CAN)に侵入することで鍵の解錠やエンジン始動を行う方法です。
リレーアタック同様に車を傷つけずに犯行が可能で、最近では特に増加している手口の1つです。
車のバンパーをずらし、配線を繋ぐことでネットワークに侵入するため、対策が難しいのが現状です。
参考:JAFMate online「被害多発!車の盗難・車上ねらいの最新手口」
参考:日本経済新聞「高級車、数分で盗む新手口 「CANインベーダー」使用」
2. 自動車だけでなく「部品盗難」も発生している
最近では、自動車本体だけでなく、ナンバープレートやタイヤ、ナビなどの部品を盗難するケースも増えています。
タイヤやナビなどの部品は、盗難後、販売されることもあり、一度他の人の手に渡ってしまうと所有者の特定が難しいことから、なかなか所有者の元に戻りにくいともいえます。
特に、近年ではナンバープレートの盗難が増えており、盗難されたナンバープレートは別の車両に取り付けられ、別の犯罪に使用される場合もあります。
ナンバープレートの不正手口は、外見と中身が異なるナンバーを装着することから、俗称では「天ぷらナンバー」とも呼ばれています。
ナンバープレートが盗難されてしまうと、公道を走れないほか、再交付までに時間とお金がかかってしまいます。
また、一度盗難にあってしまったナンバープレートは基本的に全く同じ番号では再交付できないため、注意しましょう。
3. 狙われやすい車の特徴は?狙われやすい車種
様々な手口で行われる車両盗難。それでは、どのような車種が狙われやすいのでしょうか?
狙われやすい車の特徴は以下の通りです。
(1) 新しい年式の車種
(2) 2000年以前に製造された古い年式
(3) 車内の見えるところに貴重品が置かれている
(4) 高級車
需要の高い新しい年式の車種や、販売した時に高値がつきやすい高級車などは特に注意が必要です。
また2000年以前に製造された古い年式の車種も、セキュリティの観点から狙われやすい傾向があります。
車内の見えるところに財布やカバンなどの貴重品が置かれたままになっていると、盗難が誘発されやすいため注意が必要です。
(1)(2)(3):警察庁[自動車盗難等の発生状況等について]の内容より
(4):車種別の盗難台数から傾向をもとに分析
車名別の盗難台数状況は以下の通りです。
2023年盗難台数
メーカー | 盗難車種(通称名) | 盗難台数(台) |
トヨタ | アルファード | 700 |
トヨタ | ランドクルーザー | 643 |
トヨタ | プリウス | 428 |
トヨタ | レクサスLX | 261 |
トヨタ | ハイエース | 187 |
スズキ | キャリィ | 115 |
ダイハツ | ハイゼット | 107 |
トヨタ | レクサスRX | 88 |
トヨタ | クラウン | 81 |
トヨタ | レクサスLS | 71 |
日産 | スカイライン | 71 |
出典:警察庁[自動車盗難等の発生状況等について]車名別盗難台数の状況
車種別に見ると、アルファード、ランドクルーザー、プリウスが特に多く、トヨタ車の中でも人気が高い車種が多くの被害を受けています。
特にアルファード、ランドクルーザー、レクサスなどの高級車は狙われやすく、ハイエースなどは海外での需要が高いことも理由の1つでしょう。
プリウスなどのハイブリッドカーは、モーターやバッテリーなどの部品が海外で需要が高いと考えられます。
スズキのキャリィやダイハツのハイゼットなどは、海外での需要の他、部品狙いも考えられます。
1番被害台数の多いアルファードは2023年6月にフルモデルチェンジしたことで現行型の需要が高まり、2022年に比べて盗難件数が増加しています。
フルモデルチェンジ後、新型を所有している方は特に気をつけた方が良いと言えるでしょう。
4. どんな対策をすればいい?効果的な対策とは
自動車盗難を防止するには、下記のような対策が効果的です。
短時間でもしっかりと施錠する
先ほども解説したように、最新の手口は短時間での犯行が可能です。
そのため、送迎時など短時間であっても車から離れる時は必ずエンジンキーを抜き、窓を完全に閉めて確実に施錠することが大切です。
鍵の保管方法・保管場所には注意
リレーアタック方式では自宅にいる時にも狙われる可能性があります。
スマートキーからの電波を遮断することが効果的なため、スマートキーの節電モードを使用するようにしましょう。
また、スマートキーを玄関先に保管する際は、缶などの金属の容器で保管することも効果的です。
貴重品は車内に放置しない
車外から見える場所にカバンや財布などの貴重品を置いたままにすると、車上荒らしの被害に遭う可能性が高まります。
車から離れる際は必ず持って出るようにしましょう。
車庫にも盗難対策をおこなう
リレーアタックやCANインベーダーを用いた盗難は、自宅にいても起こりうる可能性があります。
そのため、ご自宅の車庫に照明やセンサーライト、防犯カメラを設置するのが効果的です。
ご自宅以外の車庫で保管される方は、人通りのある道路に面した駐車場や、立体駐車場などセキュリティ対策のされている駐車場を選ぶのもおすすめです。
セキュリティシステムやGPS追跡装置を搭載する
CANインベーダーによる盗難を防ぐには、セキュリティシステムの導入も効果的です。
他にも、万が一車両盗難に遭ってしまった際にリアルタイムで追跡できるGPS追跡装置などやクラウド保存型のドライブレコーダーなどを搭載すると、被害を最小限に抑えることが期待できます。
盗難対策グッズを活用する
ハンドルロックやタイヤロック、クルマカバーの装着など、盗難対策グッズを使用するのも効果的です。
車を降りるたびにセットが必要なため、少し手間がかかる方法ですが、手軽に対策することができます。
また、車両盗難は犯行に時間がかかる車は狙われにくいとされているため、こうしたグッズを見える場所にセットすること自体に抑止効果があります。
クルマカバーについては、車種が特定されにくいというメリットもあります。
5. おすすめの盗難対策グッズ
最後に、車の盗難対策に効果的なグッズをご紹介します。
セキュリティシステムの導入
車外からCANに不正侵入して流し込まれる信号を遮断するシステムを追加することで、不正なドア解錠やエンジン始動を抑止することができます。
最新のCANインベーダーを使用した盗難対策に効果的です。
ナンバーロックボルト
特殊なねじ穴のボルトをつけることで、近年増加しているナンバープレートの盗難を防ぎます。
ナンバープレートの盗難対策をおこなっていない場合、ドライバーやレンチを使用すれば1分もかからずに簡単に外されてしまいます。
新車購入時だけでなく後からでも導入可能なため、未対策の方はぜひ導入を検討してください。
トヨタ純正のロックボルトはサビにも強いクロームメッキ仕様で、トヨタロゴが入っているため見た目もスタイリッシュです。
キー付ホイールナット
タイヤは通常4本~6本のホイールナットで固定しますが、そのうちの1本を専用のホイールナットに交換します。
通常のホイールナットはレンチなどで取り外すことができますが、キー付ホイールナットの場合は専用ソケットでないと取り外せないため、ホイールの盗難対策に効果的です。
ホイールナットは車種やホイールの形状などの違いによって様々な仕様が発売されているため、ご自身に合ったものを選ぶようにしてください。
より高品質なホイールナットをお求めの方は、チタン製のホイールナットがおすすめです。
6.まとめ
今回は車の盗難に関する傾向や、効果的な対策について紹介しました。
最新の手口では、自宅の車庫に保管している場合でも注意が必要です。
アルファードやランドクルーザーなどの特に狙われやすい車種にお乗りの方は、盗難対策グッズなども取り入れながら対策しておくことがおすすめです。
盗難対策グッズには後付けで対策できるものもあるので、取り入れられるものから取り入れましょう。
盗難対策グッズの装着は、新車ご購入時が特におすすめです。
埼玉県でトヨタ車の乗り換えを検討している方は、ぜひネッツトヨタ東埼玉へご相談ください。
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